【今さら聞けない】「ノンケ」とは?語源や意味、使い方を解説!

ゲイの間でたびたび出てくる専門用語に「ノンケ」という言葉があります。

話の流れでなんとなく意味はつかめているものの、正確には分かっていないというゲイも多いのではないでしょうか?

ゲイコミュニティって、ときどきこういう初心者への不親切がありますよね!

今回は、今さら聞けない「ノンケ」について、語源や意味を改めて解説します。

また、どういったシーンで使われるのか、あなたがゲイの場合・ノンケの場合、聞かれたときにどのように対処すべきかもバッチリ網羅していますよ!

目次

ノンケの語源や意味

まずは「ノンケ」という言葉の意味を抑えておきましょう。

また、どのような語源があるのかという豆知識も解説します。

バッチリ理解してゲイとの会話に備えましょう!

ノンケの意味

「ノンケ」とは、セクシャリティがゲイではない男性のことです。

一般的には恋愛対象が女性である、ストレート(異性愛者)男性を指します。

この条件ではバイセクシャルの男性は漏れてしまうことになりますが、バイは結婚などの人生の選択で女性を選んでしまうことが多々あるため、ゲイコミュニティではほぼノンケとして扱われます。

(これについては「男性を真剣に愛している」というバイ男性からの反論があり、それも真実だと思いますが、個々のゲイの経験としてそのような事例が多いです)

セクシャリティにはさらなる多様性がありますが、ゲイコミュニティ内では特に説明がないと「こちらに関わってくる男性=ゲイ」として扱われがちです。

また、ストレート女性のことを「ノンケ女性」と呼ぶなどの活用例もありますよ。

ノンケの語源

ノンケの語源は、ゲイに対して気がない男性ということで、

  • フランス語で否定を表す「non」
  • 気(キではないケと読む)

を合体させて「non気」→「ノンケ」となったという説が有力です。

「気」の字については「ケ」と読む時点でセクシャルマイノリティの話題を匂わせるニュアンスが付くといわれます。

ただ、このニュアンスは昭和的な感性で、近年では意味が通じづらい・差別的と取られ批判の対象になるなど、面白半分で使わない方が良い言葉かもしれません!

特にオトナ世代の人は気をつけましょう。

あくまでゲイコミュニティの隠語であることに注意

ノンケは便利な言葉ですが、そもそもゲイコミュニティ内のみで使われる隠語である点には注意が必要です。

そもそもマジョリティである異性愛の世界では、異性愛者にわざわざ名前を付けて呼ぶ必要性が生活の中にないですよね?

それではノンケという言葉を知っている人がゲイ当事者やゲイに理解がある人かというと、これもまた微妙かもしれません!

ノンケという言葉が使われるのは、ゲイコミュニティ内でも飲みの席や猥談など、くだけた場面が多いですね。

ゲイ当事者も公式な場では使わないし、ノンケがこの言葉を知る機会もちょっとくだけた場であった可能性が高いのです。

近年は「ノンケ」という言葉を知っているノンケも増加

最近はゲイの情報発信が盛んで、大手メディアや動画配信などでゲイ文化が世の中に知られる機会が増えてきました。

また、少し昔の話になりますが、ニコニコ動画でゲイビデオの一部を切り取った「野獣先輩」という一連の動画が流行ったこともゲイ用語が広がった原因になっています。

ノンケという言葉は、意外と知っている人が多いみたいです!

しかし、先ほど説明した通り、ノンケはあくまでゲイの世界の隠語です。

面白半分でゲイ用語やゲイビデオを楽しんでいたのを家族にみつかり、深刻な話し合いが始まってしまったという苦い経験を持つノンケもいたとかいないとか。

ゲイ当事者としても、親しみを持たれていることは嬉しい反面、面白がられている状況はあまり良い気分ではありません。

ノンケが好きなゲイの怪

ノンケを語る上で見逃せないのが、ゲイはなぜかノンケが大好きだという謎の現象です!

ゲイ向けのアダルト動画を見ると「ノンケ」がタイトルに入っているものが大量にみつかります。

ノンケが襲われたり、ノンケに告白したらOKを貰えてエッチする、といった設定の動画が多いんですね。

これにはゲイの微妙な心理があり、本来は交わることのないノンケと恋愛に発展するというレアさやファンタジーを楽しんでいる部分があります。

また、「ゲイっぽい」キャラクターがなんとなくあるように、ゲイは経験を積むといくつかのタイプにハマっていく傾向があります。

ノンケにはゲイにはない男性としての魅力があり、それに魅かれてしまうゲイは多いのです!

また、既婚男性への憧れもあり、一部のゲイビデオでは(演出と思われますが)わざわざ結婚指輪を見せびらかす男がゲイセックスをしているようなものも。

こちらはノンケにとっての「人妻モノ」のようなものだと思ってもらえれば分かりやすいのではないでしょうか?

友人男性があなたがノンケなのか聞いてきた時の心理

もし、友人男性があなたがノンケかどうかを聞いてきたら?

あなたがノンケでもゲイでも一瞬ギョッとしてしまうかもしれません。

友人男性があなたがノンケなのか聞いてきた時の、相手の心理を考えてみましょう!

ゲイの隠語を面白がって使っている

パターン1として、ノンケがたまたまゲイの隠語を知り、面白がって使っているというケースがあります。

先ほども書きましたが、ノンケはあくまでゲイ用語なので、あちこちで使っているとあらぬトラブルを招くことがあります。

ゲイ当事者は自身がゲイであることを知られなくない(一部の信頼できる人にのみ知って欲しい)という人が多いので、ふざけてゲイ用語を使うのはまずノンケだと考えられます。

あまり良いことではないので、親しい友人だったらやめさせた方が良いでしょう。

ただ、目くじらを立てるほどの問題行動でもないので、そこまで関係が近いわけではない友人なら放置するという選択肢も考えられます。

ゲイかノンケかを探ろうとしている

パターン2として、聞いてきた男性がゲイ当事者で、あなたがゲイかどうか(ゲイに理解があるか)を探っているケースも考えられます。

  1. ノンケという言葉を知っているかという探り
  2. ゲイに対して批判的・差別的な言動を取らないかの探り
  3. ゲイであれば次の行動(愛の告白など)に移ろうと考えている

などの目的が考えられますね。

日常会話で「ノンケ」という言葉が飛び出したときの対応

あなたがゲイであってもノンケであっても、ノンケがゲイ用語だと知っている状況で人が言っているとギョッとしてしまいますよね?

もし、日常会話で「ノンケ」という言葉が飛び出したときの対応をシミュレーションしておきましょう!

(あなたがゲイの場合)カミングアウトの有無で対応するしかない

あなたがゲイであった場合、対応はカミングアウトをしているか・していないかで変わります。

カミングアウトをしている場合は「それはゲイ用語だし、あまりいい言葉じゃないから言いふらさない方がいいかも」と止めた方が親切かもしれません。

そこまで深刻にしたくないなら「あんまりノンケとか言ってるとゲイに染まっちゃうよ」などと冗談めかすという方法も。

「染まっちゃうよ」という言い回しは、ノンケがゲイ化する、ゲイ当事者が画一的なゲイ文化に染まるという、二重の意味合いがあるので無難ではないでしょうか!?

カミングアウトをしていない場合は、知らないふりをするか、ゲイ用語を面白がるノンケのふりをするしかありません。

それでも嘘をついているという後ろめたさがありますし、特にノンケのふりをしてふざける逃げ方は自分を傷つけることになりますよね?

やはり知らないふりが無難かも。

(あなたがノンケの場合)正直に答えればOK

そもそもノンケはゲイ当事者のような後ろめたさがありませんので、正直に反応してしまってOKでしょう。

「お前ゲイじゃないの?」と聞かれたら「違うわ!ノンケだわ!」と素直に言ってしまうのが良いです。

洒落で「本当のところはどうだろうね?」などとはぐらかし、ゲイを匂わせるという言動をする人がいますが、セクシャルマイノリティの問題は当事者にとっては深刻なものです。

もしそこを理解していただけるなら、ギャグのネタに使うのは遠慮してもらえると嬉しいです!

ノンケかどうかの質問に配慮は必要か

今回の記事を作成するにあたって、ゲイ側からの少し気になる意見を目にしました。

ノンケかどうかの質問をされたときに、ノンケは配慮をして欲しいというものです。

友人男性のノンケが確定した時点でゲイは失恋している

ゲイが友人男性に「ノンケなの?」と質問する意図は、大抵の場合は愛の告白の為にセクシャリティの探りを入れるときです。

(その他、良き友人関係を築く為にカミングアウトをしたいが、事前に相手の反応や差別意識を見極めるというケースもあります)

つまり「ノンケなの?」と聞いて「ノンケだよ」という答えが返ってきた時点で、その友人男性は脈なしで、訪ねたゲイは失恋しているというわけです。

この状況について「訪ねたゲイは傷ついているのでそれ以上深掘り配慮が欲しい」というゲイ側からの意見がありました。

しかし、この意見はゲイ当事者である筆者から見ても少々わがままに思えます。

告白やカミングアウトもしていない状態で配慮を求めるのはわがまま

そもそも相手の友人男性には告白やカミングアウトをしておらず、この話の主人公がゲイであることは想像もできないことです。

「探りを入れる」という状況からも、冗談めかして言っている可能性が高く、相手の友人男性もそのつもりで答えているはずです。

その状況で「ゲイが傷ついているので深掘りしないで」というのはあまりにもわがままではないでしょうか?

ゲイは異性愛がマジョリティの世界で、何かと不自由だったり傷ついたりしているのは事実です。

しかし、極端に悲観的になったり、異性愛者に対して過度の配慮を求めるゲイの論調が見られることがあります。

それらに対して、「LGBTって面倒くさいな」という異性愛者のコメントもよく見かけます。

自分に対する配慮を求める以上、相手に対する配慮も考える必要があるのは、マジョリティもマイノリティも変わらないのではないでしょうか?

ゲイの側からも最低限の配慮を忘れず、多様性を広めていくことが、結果的にゲイが生きやすい世界への近道かもしれません!

まとめ

前半ではノンケという言葉の語源や意味を解説しましたが、後半ではノンケという言葉ひとつがゲイまわりの様々な生活やトラブルに関わっているというお話になっていきました。

ノンケという言葉が使われるのは、飲みの席や猥談などのリラックスした場面であることが多いです。

いくつか深刻なお話もしてしまいましたが、基本的にはゲイとの楽しい会話で使える用語だと思っていただければOKです!

ゲイもノンケも楽しく付き合う上で「ノンケ」という言葉を活用してみてください。

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