【カミングアウト】ゲイであることを打ち明ける方法!お相手、シチュ別

目次

「カミングアウト」とは?

「カミングアウト」とは、ゲイであることを打ち明ける行為です。

世の中の多くの制度やシステムはマジョリティーの異性愛者を前提で作られており、人付き合いも男女は結婚して子供をもうける可能性がある…という前置きから進められるケースが多々あります。

そういった世の中にあって、ゲイと自覚している人間にとってやりづらいのはもちろんですが、自覚できていない若者にとっては「生きづらさ」という命に関わる問題にすらなってしまいます。

カミングアウトは自分の胸の内を明かして気持ちを晴れやかにするといった効果のほか、明かした相手とのその後の付き合い方を「異性愛者の社会の一員」から「同性愛者として」というまったく異なるものに変える大イベントでもあります。

カミングアウトによるメリットは多大である反面、告白した相手やコミュニティ(家族・学校・職場)の人間関係が崩れてしまうようなリスクも存在します。

できる準備をすることはもちろんですが、告白する相手への配慮など、考えるべき事柄がいくつかあります。

今回は、カミングアウト・ゲイであることを打ち明ける方法を、相手・シチュエーション別に考えてみましょう。

カミングアウト前の下準備

まずは、カミングアウトを誰におこなうかに関わらず、共通してやっておくべき準備を解説します。

LGBTの友人やコミュニティを持つ

同じゲイのセクシャリティを持つ友人やコミュニティを持っておきましょう。

ゲイ以外のLGBTの人のカミングアウトでも同じです。

LGBTの記事では先進的な海外にならって「コミュニティ」という言い方をしてしまいがちなのですが、何か団体やサークルに所属する必要はありません。

大人であれば行きつけのゲイバーなどでいいですし、最近ではSNSで同じセクシャリティの友人を作ることはかんたんですね。

カミングアウトに失敗すると、異性愛者の社会から切り離されて孤独感に落とされることもままあります。

そういったときに同じ境遇にある友人や、悩みを相談できる相手がいることはとても心強いのです。

カミングアウト相手が信頼できるかを考える

カミングアウト後に、周囲にペラペラと広めてしまうような人だったり、差別的な言動を取るような人かどうかは見極めておく必要があります。

ただ、優しく見える人がカミングアウトした途端に豹変してしまうこともあります。

同性愛者というものに謎の敵対心を持っている人は存在するんですね。

逆に、そういうことは起こるものだと覚悟を決めてからカミングアウトをするという心構えも考えられます。

意図せずセクシャリティを第三者に吹聴される行為を「アウティング」と言いますが、厳密にはカミングアウトした相手があなたの秘密を守る義務もないわけです。

カミングアウトをし、アウティングをしないことを頼むことは、相手に一つ「負担」を強いている状況になることは気をつけなければなりません。

カミングアウトの目的や理由を自己分析しておく

極端な話、セクシャリティを公表せず「異性と付き合わない人」として一生を貫き通すこともできなくはありません。

現在は昔ほど「結婚=社会人としてようやく一人前」という価値観で、配置や昇進に関わることも減ってきています。

あえてカミングアウトをする目的や理由については、自分自身で分析しておきましょう。

「今までと変わらず接してほしい」「結婚を求めない(話題にしない)」といった相手にして欲しいこと(欲しくないこと)とあわせて話すと受け入れられやすくなります。

「なぜ」話すのかについても添えましょう。

信頼できると思ったから、セクシャリティを知ってもらったうえで今後の人生について語り合いたいから、などが一例です。

カミングアウトの範囲を明確にし、相手にも伝える

芸能人のようにマスコミを通して公表しない限り、カミングアウトは「範囲」をコントロールできます。

家族や友人にはカミングアウトをし、職場では伝えずに仕事をするという事も可能です。

その場合、自分がコントロールしたいカミングアウトの範囲を明確にしておき、相手にも伝えるということが大切です。

ただ、カミングアウト相手に秘密を守らせることが負担にならないかの配慮はしっかりしておきましょう。

カミングアウトのリスクを考えておく

カミングアウトはおこなうと心が軽くなり、相手と「本当の自分」として付き合えていける素晴らしいものですが、マイナス面やリスクも覚悟しなくてはなりません。

アウティング

アウティングとは、第三者によって意図しない相手にセクシャリティを吹聴されてしまう行為です。

カミングアウトが自分の好きなタイミングで心許せる相手におこなえることとは対照的ですね。

このアウティングは悪意や盗み聞きでおこなわれるイメージがありますが、そうでないケースもあります。

たとえば、ゲイが好きな男性にカミングアウトと同時に愛の告白をしたとします。

告白された男性は「告白されたこと」と「相手が男性であること」の二重の悩みを抱えることになり、それを信頼できる第三者に相談します。

これもアウティングの一種です。

この場合、ことさら強くアウティングをおこなった人を責められるでしょうか?

アウティングは、カミングアウト相手の人格の良し悪しに関わらず発生する恐れがあります。

相手から嫌われる、侮辱される

信頼できるいい人だと思っていても、ゲイであることを伝えることで嫌われる・侮辱されることもあります。

残念ながら「同性愛者」という存在を心の中で毛嫌いしている人はいます。

先述した「カミングアウト前の下準備」には、そうなってしまった場合の覚悟や逃げ道を用意しておく意味合いもあります。

ゲイであることを打ち明ける方法!お相手、シチュ別

下準備とリスクについて理解したら、実際にカミングアウトする相手別に対応を考えましょう。

家族

家族に話す場合ですが、家族会議を開いて全員に一気にカミングアウトするのも一つの方法ですが、ひとりひとりというやり方もあります。

ゲイに理解がありそうなひとりだけに打ち明け、味方になってもらった方がよりスムーズでしょう。

特に家族にカミングアウトするということは、今後の一生の家族づきあいにも影響することなので、勢いに任せず自分や家族の心情をはかりながら進めましょう。

友人

友人は他人なので、逆に損得なくゲイであるあなたを受け入れてくれる、頼れる存在になり得ます。

家族と同じく一生の付き合いになりそうな地域・学校の友人なのか、もっと緩い繋がりの友人なのかによっても変わってきますね。

活動範囲の広い社会人であれば「ゲイの友人」といった存在も持てますが、若者や学生は狭い世界の友人関係で悩みがちです。

カミングアウトは大人でも難しい問題ですので、学生は本や映画の影響で「カミングアウトをしなきゃ」と思い詰めず、カミングアウトを「しない」という選択肢も考えましょう。

好きな相手

ゲイが好きな男性に告白する場合、「愛の告白」と「カミングアウト」を同時におこなうことになります。

振られたり、アウティングなどのトラブルに発展したらもちろんショックですね。

一方で、告白を受ける側の男性にとってもなかなかショッキングだということは配慮したいものです。

ここから先は小技の範疇になりますが、愛の告白はさておいてカミングアウトを先にしておき、そこからまた長い時間をかけて人間関係を築いてから告白するという手もあります。

まとめ

カミングアウト・ゲイであることを打ち明ける方法を、相手・シチュエーション別に考えてみました。

このようなゲイ向け記事では「カミングアウトは素晴らしい!どんどんやろう!」という論調のものもありますが、時に人の命が失われる問題に対してあまりに不誠実ですね。

セクシャルマイノリティを受け入れることについては、理屈では分かっているけど気持ちでは…という人がたくさんいます。

すべてに共通するのが、自分やカミングアウト相手が少なからず受けることになるショックをよく考えることです。

十分に考えたうえでカミングアウトに臨みましょう。

シェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次
閉じる