はじめに
近年はLGBTに関する情報が増え、自身のセクシュアリティをカミングアウトする著名人なども出てきたとは言え、基本的には学校や家庭が生活の中心となる高校生の皆さんにとっては、同じセクシュアリティの友人や恋人を作るのは決してまだまだ容易にできることではないかもしれません。
今回は、そんな悩みや不便を感じている高校生のゲイの皆さんに、ゲイ当事者の私が同じセクシュアリティのお友達の作り方についてご提案していきたいと思います!
「自分はオカシイのでは…」と悩んでいませんか?
この記事にたどり着いた高校生の皆さんの中には、「同性を好きになってしまう自分は異常なのではないか?」「一生普通の恋愛なんてできないのでは…」と不安になっている方もいるかもしれません。
結論から言って、そんな風に思う必要はまったくありません!
…という言葉を聞いても、不安感を抱いてしまう気持ちもすごくわかります。というのも、30代後半ゲイの私もかつて高校生の頃は周囲に同じセクシュアリティの人がおらず、孤独感を味わっていました。
今思えば高校生の頃は、自分にとっての社会とは学校と家、良くてアルバイト先くらいなもので、その時はあまり実感していませんでしたが、その後の人生の中から見れば極めて狭い世界の中に生きていました。
また、学校で仲の良い同級生の友人はいましたが、まだ高校生と言えば日常生活において異性との恋愛が占める比重は高く、同年代の友人が異性に夢中になる話を聞いたりそういう姿を見るたりすると、やっぱり自分はオカシイのかな、なんて不安になってしまったものです。
しかし、安心してください。今皆さんが置かれている状況は、長い人生の中から見ればほんの一瞬に過ぎず、これから大学生や専門学生、社会人になるにつれて様々な世代や価値観の人たちと出会うことになります。そこで待っている世界は、きっと皆さんが想像しているよりずっと広いものだと思います。
じゃあ、高校生の間は我慢しないといけないのか?と言われれば、たしかに昔はそうだったかもしれませんが、今はインターネットが普及し、若い人はほぼ全員スマートフォンを持っている時代です。使い方を誤らなければ、高校生の皆さんでもちゃんとゲイの仲間を見つけることができます。
まずは同年代のゲイの仲間を見つけることをオススメします!
インターネットが普及したことで、個人と個人が繋がることが以前よりもかなり容易になりました。ただ、一方でSNSやインターネット掲示板で仲良くなる相手、特に実際に会う相手は慎重に選ばなければなりません。
相手が悪い人だったり、下心しかなく何かしらの事件に巻き込まれてしまったりしたら、自分だけでなく学校やご家族の方にも心配をかけてしまうことにもなります。先程「社会は皆さんが想像するよりもずっと広い」と言いましたが、残念ながらその広い社会は良い人ばかりではありません。
そこでオススメしたいのは、まずは同年代のゲイの仲間を見つけることです。かく言う私も初めてゲイデビューしたのは大学のサークルで、19歳の時。当時できた同年代の友人の中には、それから20年近く経った現在でもまだ遊んだり飲みに行ったりする友人もいます。
同じ時代に生きて、同じセクシュアリティで、同じ速度で成長した友人たちというのは価値観やものの考え方も似てくるもので、一生モノの付き合いになるかもしれません。
それでは、実際にどんな方法で同年代のゲイの仲間と出会えるのか、具体的に見ていきたいと思います。
SNSでの検索
まずは一番手軽なものから。
皆さんはTwitterやInstagram、TikTokなどをやっていますか?
これらのSNSのほとんどはスマホさえあれば無料で手軽に始められるため、既にやっている人も多いと思います。
SNSは同じ趣味嗜好の人と繋がるには非常に便利なツールで、例えばTwitterなどを見ると #高校生ゲイ や #学生ゲイ などと言ったハッシュタグをつけて投稿している人がたくさんいます。このようなハッシュタグを付けて投稿している人は多くの場合、同じような年代のゲイの友人を作りたいと思っていて、検索してもらえるようにこのハッシュタグを付けて投稿しています。
また、特にTwitterにいる若いゲイの方は、プロフィールにh〇〇と記載していることが多いです。hとは平成のことで、〇〇は生まれた年です。検索機能で自分の生まれた年を入れてユーザー検索をすると、ゲイと思しきアカウントも出てきます。だいたいの場合、プロフィールに「G」や「LGBT」という文言が入っているため、そういった人をフォローしてみるのも良いでしょう。
まずはこうした人達をフォローしてみて、SNS上で仲良くなってみるのが良いでしょう。「今持っているアカウントは学校の人とつながっていて、バレたら嫌だな」と思う人は、もう一つアカウントを作ってみることをオススメします。多くのSNSは非公開設定(自分にフォロー申請をしてきて、なおかつ自分が許可した人にしか投稿内容が公開されない設定)ができるようになっていますので、この機能をうまく使えば安心です。
ただし、相手のことがよくわからない状態で自分のセクシーな画像を送ったり、すぐに会うのは避けた方が良いでしょう。と言うのも、まったく別人が高校生や大学生になりすましてアカウントを運営しており、思わせぶりなことを言ってエッチな画像を送らせることを目的にしているアカウントもあります。
怪しいと思ったら疑うのが正解です。なりすましのアカウントかどうか見分ける方法の一つとして、そのアカウントの過去の写真まで遡って見てみることをオススメします。同一人物の設定で投稿しているのに、明らかに体つきや肌の色、顔の輪郭や形が違う写真が投稿されていたら怪しんで良いでしょう。
SNSは最も気軽に仲間を見つけられる方法である反面、すぐ近くに危険もあることをよく理解した上で利用しましょう。
コミュニティセンター
都市部にアクセスできる人は、コミュニティセンターに足を運んでみるのも良いでしょう。コミュニティセンターとは、LGBTの人が自由に集まることができるスペースです。こうしたコミュニティセンターは定期的にイベントを開催しており、英会話や読書会のような共通の趣味を通したコミュニケーションを支援するものから、10代のお友達づくり支援として10代限定のイベントを企画しているようなものもあります。こうしたイベントのほとんどは無料、もしくは数百円のお茶代程度で参加できるので、まずは申し込んでみるのも良いでしょう。
コミュニティセンターの一番のメリットは、やはり直接仲間に出会うことができて、インターネット上での出会いよりも安全性が高いことが挙げられます。
直接会って会話をすると、SNSやメールでのやりとりよりもずっと多くの情報を得ることができます。共通の趣味や話題も見つかりやすいでしょう。
下記に主要なコミュニティセンターの一覧をご紹介します。
- コミュニティセンター ZEL(仙台市)(左記にハイパーリンク:http://sendai865.web.fc2.com/zel.html)
- コミュニティセンター akta(東京都)(https://akta.jp/)
- SHIPにじいろキャビン(横浜市)(http://ship-web.com/)
- コミュニティセンター rise(名古屋市)(https://aln.sakura.ne.jp/rise/)
- コミュニティセンター dista(大阪市)(https://dista.osaka/)
- えひめLGBTセンター 虹力スペース(松山市)(https://www.rainbowpride-ehime.org/shisetsu/)
- コミュニティセンター HACO(福岡市)(http://loveactf.jp/)
- コミュニティセンター mabui(那覇市)(http://nankr.jp/mabui)
コミュニティセンターは上記以外にも各自治体が主催しているものなどもあり大小様々です。まずはインターネットで「(お住まいの地域) LGBT コミュニティセンター」と検索してみてください。
10代でも参加可能なサークルやイベント
リアルなサークルやイベントを探すのも、やはりインターネットが役立ちます。検索エンジンで「〇〇(お住まいのエリア) ゲイサークル 10代」などと検索してみてください。
すると、10代でも参加可能なサークルの情報がヒットします。
お友達づくりを目的としたオールラウンドなサークルもあれば、趣味やスポーツなど共通項を持った人たちが集まるものまで様々あります。
こうしたサークルもWEBサイトの他にTwitterなどのSNSアカウントを持っていることも多いため、まずはSNSで普段の活動などを見てみましょう。そうすれば、サークルの雰囲気や参加しているメンバーを事前に把握しておくこともできます。
18歳になったらやりたいこと
このように、高校生でも同じセクシュアリティの友人を作ることは可能ですが、実際には勉強や部活などに忙しい高校生も多いと思いますし、やはり本格的なゲイ活動ができるのは行動範囲が広がり自由に使えるお金も増える18歳以降になると思います。ですので、楽しみは18歳まで取っておくのが得策かもしれません。
一方、18歳になるといろいろなことができるようになります。その内の一つがゲイ向けの出会いを提供するアプリに登録ができるようになることです。
とは言え、出会いを提供するゲイ向けアプリも様々あり、どれを使って良いか迷ってしまうかもしれません。そこでオススメしたいのが「AMBIRD」というアプリです。
なぜこの「AMBIRD」がオススメかと言うと、ゲイの世界に足を踏み入れたばかりの初心者の方に最も向いているアプリだからです。
コミュニティ機能で同じ趣味の人を探せる
ゲイ向けのアプリは、ヤリ目やセクシーな画像の交換などを目的にした人も一定数いますが、AMBIRDはそういった出会いよりも趣味や価値観が合うゲイとの出会いを大事にしています。
その主たるものがコミュニティ機能です。コミュニティはユーザーが任意で作ることができ、「〇〇というアーティストが好き」「〇〇というYoutuberが好き」といったエンタテインメントに関するものや、「バレーボールがしたい」「フットサルがしたい」などスポーツに関するもの、「読書会がしたい」「音楽演奏がしたい」など文化・教養に関するものから「スポユニが好き」「制服が好き」など少しエッチなものまで様々用意されています。
ユーザーはどのコミュニティに入っているかが公開されているため、特定のコミュニティに入っている人の中から気になる人を探すのも良いでしょう。
互いに「いいね」をした人からしかメッセージが来ない
気に入った人が見つかったら、ぜひ「いいね」を送ってみましょう。相手も「いいね」を返してくれて初めてメッセージのやりとりができるようになります。
互いに「いいね」を送りあった人としかメッセージができないことで、タイプではない人からのしつこい誘いの心配もありません。また、メッセージを始めても相手の入っているコミュニティなどから趣味や価値観を予測でき、会話のネタにもできるため「メッセージが続かなかった…」ということも避けられます。これは実際に会うことになった際も同じで、人見知りで初めての人と何を話して良いかわからない、という人にこそ使ってほしいアプリです。
なりすましを防止する優れた機能
多くのゲイ向けアプリは年齢や居住地も自己申告制で、悲しいことに他人になりすましていたり、年齢を誤魔化していたりするユーザーもいるのが現状です。しかしAMBIRDは登録時に身分証明書の画像を提出するルールになっています。
つまり、他人の画像を使ったなりすましや、年齢を誤魔化した登録ができない仕組みになっています。つまり、アプリを悪用しようとする人はそもそも登録ができないため安心して利用することができます。
楽しいゲイライフを!
同じセクシュアリティの人との出会いは、現状では18歳になるまではなかなか自由にはできないかもしれません。しかし、青春時代はまだまだ続きます。大学生や専門学生、社会人になればきっと想像以上に広い世界が待っています。その中で、貴重な出会いもきっとたくさんあるはずです。
アプリやSNS、サークルなど、様々なツールを使ってぜひたくさん友達を見つけてみてくださいね。