恋は意図しないタイミングで突然起こってしまう事故のようなもの。
ゲイが好きになった男性がノンケだったという状況は往々にして有り得ます。
ノンケにはゲイにない人間的な魅力がありますので、ノンケがタイプで片思いしては破れてゲイバーで泣き崩れるということを繰り返す切ないゲイもいたりします。
ゲイがノンケを好きになったら、楽しいばかりの恋にはならないことも多いのです。
告白の是非やカミングアウトなど現実的な問題も考える必要があります。
ということでこの記事では、ノンケに対するアプローチや付き合い方について考えてみましょう!
セクシャリティの確認が第一関門
同性カップルのスタートが難しいのは、本人に聞くまで相手のセクシャリティが分からないという点です。
男女間であれば「つがい」になるのが当たり前という前提から始まるので話が早いんですよね。
ゲイコミュニティ内で恋人探しをするならセクシャリティの確認は男女間と変わらない手間で済みますが、職場や学校などで好きな人ができてしまうと困りものです。
一部のノンケはゲイからアプローチを受けることを嫌います。
ゲイが女性から迫られるのが迷惑なのと同じと考えれば彼らの嫌悪感も理解できますね。
逆にバイであったり、ノンケだけど性処理なら男でも大丈夫という男性も世の中には相当数います。
ですが、そういったセクシャリティの問題はごくプライベート・デリケートなもので、表立ってするような話ではないことが悩ましい問題です。
一夜限りはあるかも?しかしノンケと付き合えるのはファンタジーの世界
バイではないが、触り合い・舐め合いなどの性処理なら「男でもイケる」というノンケは一定数存在します。
うまい具合にそういったノンケと知り合えれば一夜限りの関係は結べるかもしれません。
また、既婚者が不倫相手としてゲイと付き合うというケースもなくはないようです。
しかし、当記事をお読みいただいている方はそのような空虚な関係をお望みでしょうか?
ノンケの立場からすると(好き嫌いは別として)結婚に繋がらないゲイとの付き合いは往々として「遊び」以上には発展しづらいのです。
もちろんノンケだと自分を思い込んでいたけれど、とあるきっかけで同性の恋人ができ、添い遂げることができたという話もありますが、将来を共にすることは
いきなりの告白は失敗高確率…これまでの関係も崩れてしまうかも
そもそも「男と付き合うなんて気持ち悪い」と考えるノンケの方もまだまだ多いのです。
セクシャルマイノリティの啓蒙活動や教育の甲斐もあり、若年層を中心にゲイに表立って差別発言をしたり笑いものにしてはいけないという風潮はできあがりつつあります。
しかし、心の内で「同性と付き合うのことはできない」と思うのもまた自由であり多様性です。
ゲイが無理やり女性と結婚しろと言われても無理な話であるのと一緒ですね。
決して変えられない相手のセクシャリティを、話し合いもなく突破して告白を成功させられる可能性は極めて低いです。
また、告白によって今まで良好だった友人関係すら崩れてしまうかもしれません。
まずは仲良くなること。そして、互いにかけがえのない存在になっていくことが優先でしょう。
「気持ちの整理をつける」という意味合いで告白する
ゲイからノンケへの告白は成功を考えるものではなく、失敗前提で「自分の気持ちに整理をつける」という意味合いでおこなうものと割り切るしかないのかも。
関係性がきちんと構築されていないと、相手に不快な思いをさせるかもしれませんし、それをきっかけに社会的にさまざまなリスクもつきまとうものです。
「告白=カミングアウト」思いがけないリスクも
ところで、ノンケに愛の告白をするときには、同時に自分がゲイであることを伝える「カミングアウト」が発生します。
ゲイとして生きてこられた方なら、カミングアウトが非常にデリケートかつ難しいものであることはご理解されているでしょう。
男女間の恋愛ドラマのノリで「ダメ元で告白しよう!」と明るく出られない諸事情があります。
ノンケへの告白で考えられるリスクを考えてみましょう。
告白相手が同性愛者を嫌っているかも
そもそもノンケの男性は、自身が同性愛の当事者になることを快く受け入れることができない場合も。
好きな彼とここまで良好な関係を築けていたとしても、あくまで「友人」としてであることが多いでしょう。
ゲイであることを教えたとたんに豹変して冷たい態度を取られてしまうかもしれません。
むしろそれで済めば良い方かもしれず、優しい(しかし同性愛は嫌だと思っている)人はあなたを傷つけまいとして断り方をいろいろ思い悩むかもしれません。
一方的な告白は、好きな人にそのような負担を強いてしまうことになります。
告白される側のノンケもショックを受ける
ここまでゲイがいかにノンケに告白するか(しないか)について書いてきましたが、そもそも告白される側のノンケもショックを受けるのだという視点でも、この問題を考える必要があります。
今まで友人だと思っていた男が自分をそういう目で見ていた(場合によっては性の対象とされていたと受け止められる)ということにノンケはショックを受けるでしょう。
男女間の友人でも同じようなことはありますが、異性であれば諦めや対処ができるものでも同性だとまた違った葛藤が生まれます。
アウティングのリスク
アウティングとは、本人が望まないタイミングで他人にセクシャリティ(今回の場合はゲイ)を公表されてしまうことです。
告白した相手が悪意を持ってあなたがゲイだと言いふらすというパターンや、悪意がなくても広がってしまうことがあります。
ただ、告白した相手が思い悩んで第三者に相談し、そこから噂が広がっていくというのもアウティングの一種です。
特に後者について相手を責められるでしょうか。
アウティングという言葉はセクシャリティマイノリティの中でも知らない人がいるくらいなので、ノンケにそこまで配慮して行動しろというのは酷な話です。
ゲイがノンケと付き合うための攻略作戦
ゲイがノンケに告白するときには、さまざまな問題やリスクがあることをお伝えしてきました。
こういったマイナス面を踏まえたうえで、なおもノンケに告白して付き合いたいという強い思いを持っているあなたに、少しでも良い結果が訪れるように願っておすすめのアプローチをご紹介していきます!
先にカミングアウトをする
カミングアウトは、告白とは別に先にしておくのがおすすめです。
ゲイというセクシャリティを伝えた上で信頼関係を積み重ね、その後に愛の告白をします。
相手のノンケとしても(無意識に)心の準備ができるのでショックも少なくなるでしょう。
もしカミングアウトを広くおこなってもいいのなら、周囲の友人知人にも知らせておくと助けてもらえるかもしれません。
年単位で人柄を理解してもらう
人間関係の長い積み重ねがあれば、ゲイという事実だけで拒絶されることはないでしょう。
愛の告白の前に数ヶ月~数年単位で人柄を理解してもらいます。
ただ、モタモタしているうちにノンケは女性と結ばれてしまうかもしれません。
「善は急げ」で思いを伝えたいというはやる気持ちは分かりますが、先述した通りゲイの告白は一方的な投げかけになるケースが多いです。
切ないですが、好きな人に恋人がいるかどうかで成功率は変わりません。
外堀を埋める
広くカミングアウトしている場合には、友人知人に協力してもらう「外堀を埋める」作戦も使えます。
単純に味方がいることで勇気が湧きますし、失敗した時に慰めてもらえるのも有難いです。
ゲイの告白では自分や相手の心が乱れることが多々あるので、冷静な第三者の仲裁があれば事態の悪化が防げます。
相談相手はゲイよりもストレートの男女が良いでしょう。
ゲイ同士の閉じた考えで相談していると、ノンケの本質を見誤る恐れがあります。
別れのタイミングで告白する
失敗前提の話になりますが、卒業や転職など、相手や周囲との関係がリセットされるタイミングで「ダメ元で」告白するというのもひとつです。
もし断られてもその後に会う機会がなくなるため、自分も相手も精神的なダメージは最小限で済みます。
周囲へのカミングアウト・アウティングのリスクも極めて軽くなります。
あわよくば「実は俺も…」と逆カミングアウトからのOKなどという確変があるかもしれません。
まとめ
ゲイがノンケを好きになったときのアプローチ・付き合い方についてお話してきました。
大部分をマイナス面の解説と「告白しない方がいい」という論調で進めてきましたが、相手の気持ちや立場を尊重した告白であればもう止めません。頑張ってください!
ノンケとの良い関係が築けることを願います。