ゲイであることを100%オープンにして生きている人は少ないでしょう。
まだまだオープンにできるほど、社会が整っていないのです。
「ゲイなんてこの中にいわけない」と思い込んでいる人が多く、僕たちは日頃からいないことにされがち。
特に人間関係の一度の失敗が数年に渡って尾を引いてしまう学生であればなおのこと、オープンにはしにくいですよね。
周囲にゲイであることを言えなかったり、好きな男性がノンケだったりと、大人になってもゲイの悩みは尽きません。
今回はゲイであれば一度は経験する「あるある」をご紹介していきます。
同性を好きになる人も一定数いるので、決して「自分がおかしい」と責めなくて大丈夫です。
自分のことを隠すことなく関わることができる仲間やコミュニティはきっとそう遠くないところにあります。
この記事であるあるを読んで、少しでも気持ちを楽に、悩んでいる自分も頑張っている自分も褒めてあげてください!
思春期に経験するあるある
ここでは、ゲイの大人たちが思春期に多く経験した「あるある」をご紹介していきます。
ひょっとすると現在進行形で思春期真っ只中の若いゲイも読んでいるかもしれませんね。
大人は「そんなことあったなー」と切なくなったり笑ったりしてもらい、若者は悩み解決のヒントにしてみてください。
同性を好きになる
むしろ同性を好きになったことではじめて自分がゲイだと自覚した、という順番が逆の人も多いのではないでしょうか。
世の中には男女の恋愛を扱った漫画やドラマが溢れており、思春期の周囲も異性の話でもちきりという状況で、自分の所在のなさに悩んでしまう若いゲイは多いですね。
ゲイの告白は「ゲイのカミングアウト」と「愛の告白」という2つの関門が設けられているので、異性に告白してイエス・ノーで片付くストレートの恋愛なんて何を悩むことがあるのか?と思ってしまいます。
中学生ごろの恋愛にはセックスが絡まないことが多いので、思い切ってこの時期に「お試しで」女の子と付き合ってみるのも良い経験になるかもしれません。
高校生になってしまうとセックスなしのお付き合いというのはなかなか難しくなる上、本来は男性と付き合いたいのに無理して異性愛者に合わせるのもどんどんきつくなっていきます。
友だちの男の子を好きになってしまうなど、つらい経験もしてしまいがちです。
活動範囲が広がっていく高校卒業後に、一気にゲイの知り合いや恋人を得られるチャンスが広がっていきますので、それまでは恋愛以外のことに打ち込むのもおすすめです。
もちろん、いちばん恋をしたい時期にできないという辛さは、ゲイはみんな分かっていますよ。
家族や友達に打ち明けられない
ストレートの男子であれば「〇〇が好きなんだけどどう思う?」といった恋の悩みも周囲に相談できますが、ゲイだとそうはいきません。
家族にも言うことはできず、自分一人で抱えてしまいがちです。
一昔前は「俺は異常なんじゃないか?」と悩んだゲイもいました。
現在はネットやSNSでかんたんに情報を得られますので、「自分だけだ」と思わず、SNSなどでコミュニティを探してみるのもGOOD。ただし、その悩みに漬け込んでくる悪い大人には注意。まずは安心できる複数人の集まりなどを検討しては?
時代が進むにつれて深刻になやまなくてはいけないゲイは減っているのではないかと思いますが、周囲に打ち明けられない苦しみは今も昔も変わりませんよね。
周囲にバレていないか心配
友だちの間で好きな異性の話になることが増え、「お前は誰が好きなの?」「どんな女がタイプなの?」といった話題にもなりがちです。
そもそも女性に興味がないのに嘘を言って周囲に合わせるのも心苦しいですし、うまく答えられないとゲイバレするのではと心配にもなります。
事前に特定の女性芸能人を仮想のタイプに設定するなどの作戦で乗り切った先輩ゲイは多いと思いますが、そもそもなんでこんな苦労をせにゃならんのかという気にもなりますね。
自分で選んでゲイでいるわけではないのに。
いじめや差別への恐怖や実際の被害
ゲイバレの恐怖は、その後の人間関係の崩壊がつきまとうことが大きいです。
複数の友人から「キモい」などと言われていじめられるようになったら、卒業まで辛い日々が続くことになります。
いじめるほうがもちろん100%悪いのですが、なかなか解決をするのが難しいのでカミングアウトができない人もおおいでしょう。
大人になり、経済的な安定や他のゲイとのネットワークを作ってからカミングアウトについて考える方が安心できますし、自信を持って生きることができます。
中性的な人は周囲にうっすらと違和感を持たれてしまい、服を脱がされるといった実際のいじめに繋がることもあります。
ここまで来ると由々しき事態ですので、周囲に助けを求める・学校から逃げるなどの選択をとって、まずは自分の命を守るようにしてください。
まずは自分の命や気持ちを第一に。
好きな人に告白できない
思春期では多くの場合、恋愛対象は学校の狭い社会の中で出会うことになります。
友だちだったり、先生であることが多いですね。
学校の中は当然のように異性愛者の社会なので、どうにも告白は難しいでしょう。
大人になるまで待って、ゲイコミュニティの中から恋人探しをするのが楽だし安心です。
ただ、大人になってもストレート男性にばかり片思いをしてしまい、失恋してはゲイバーで飲んだくれて仲間に励まされているようなゲイもいます。
恋愛はいくつになっても難しいものですね。
恋愛のあるある
大人になり、おおっぴらにゲイ同士の恋愛ができるぞ!と息まいたものの、それでも悩みは尽きず。
ゲイが直面しがちな恋愛のあるあるです。
出会いが少ない
学校や職場は相変わらず異性愛者の世界で、男女であれば自然発生的に起こる恋のきっかけもゲイには訪れません。
ゲイが恋愛をするには、ゲイが集まる場所に出掛けていくなど一定の積極性が必要です。
それでもゲイアプリの登場でゲイの恋愛チャンスも大きく広がったように思います。
男女向けよりもゲイ向けのマッチングアプリの方が先に登場し、かなり時代を先取りして大流行したことからもそれが分かるでしょう。
また、システム面以外に、ゲイ個人個人の「こだわり」が強いため、恋人成立がなかなかしづらいという内面の問題もあります。
これは男女のお見合い婚活が、年齢や年収などの条件ばかりを見てうまくいかない状況に似ています。
少し異性愛者を見習って、相手にあれこれ注文をつけることをやめてみるのが大切かもしれません。
恋人とのデートが簡単にできない
一般的なカップルが立ち寄るようなスポットでのデートが難しい、同性カップルが変な目で見られるなどの問題があります。
特に若いゲイは人気の恋愛スポットに行ってみたい気持ちが強いと思います。
逆に、ジムやスポーツ、鉄道巡り、ヒーローショー、スーパー銭湯(当然ながら男同士なので一緒のお風呂に入れる)など「男の子趣味」全開のデートを楽しめるのは同性カップルの特権ですよ。
いろいろ行き先を工夫してデートを楽しんでみましょう。
また、同性カップルを拒否するラブホテルの問題もありますね。
法律上は同性カップルを理由に利用を拒否してはいけないのですが、フロントのおばちゃんに止められたらその場で成す術はありません…。
これは事前に情報収集をして、同性カップル歓迎のホテルを探すなどの工夫が必要です。
本来はゲイがそんな苦労を背負う必要はないはずなのですが…ホテル業界全体の改善を望みます。
生活のあるある
ゲイおよびゲイカップルが日常で突き当たる、生活のあるあるです。
同性二人だと家が借りにくい
家を借りる際に不動産屋へゲイカップルであることを明かす必要はありませんが、男性二人組の同居は関係性にかかわらず審査がおりないがられることがあります。
シェアルームを歓迎している物件があれば面倒はありませんが、そのような物件はまだまだ少ないですし、そもそも男女カップルであれば何の障害もなく借りられることが多いので不公平に思えます。
男性の二人暮らしは、うるさい・ケンカが起こるかもしれない・犯罪に利用されるかもしれないなど、大家が敬遠してしまう心配事があるのも事実です。
また、不動産業界そのものがノンケ体育会気質で、営業マンがゲイカップルを侮辱する言動を取ることがあり、実際に嫌な思いをしたゲイもいるようです。
結婚ができない
ストレートの友人が結婚し子供をもうけて幸せに暮らす様子を見て、複雑な気持ちになるのもゲイあるあるです。
同性婚の議論やパートナーシップ制度なども出始めていますが、法律で守られていないことから、同性同士でも結婚ができるようにと。
また、海外の同性婚ができる国では、同性愛者の子供の自殺未遂率が下がったとか。
幸せそうなカップルを見て「僕も幸せになれる未来があるんだ」と気付けるのでしょう。日本でも、これ以上多くの子供が傷ついたりゲイであることを責めなくていいように、同性婚も選択肢のひとつになるといいですよね。
病院に立ち会えない
ここは非常に重要な問題ですが、ゲイカップルは夫婦ではないので「家族」としては認められず、入院した際の立ち合いなどができないことも。
男女であれば入籍をしていなくても長期の同居で内縁関係などが認められますが、男同士は何年一緒に住もうが「友人」から先にはならないという問題から、やはり同性婚は必要だと思わされます。
単なる入院の立ち合いならまだしも、最後の死に目にも会えないというのは辛すぎますよね…。
相続ができない
壮年に差し掛かったゲイにとっては、相続は現実的な問題になってきます。
自分の財産を長年連れ添ったパートナーに渡したいという問題ですね。
弁護士の立ち合いのもと遺言状を作成することで希望に近づけることは可能ですが、男女の夫婦のように自動的に相続されるということはできません。
これらの問題を解決してくれるかもしれないパートナーシップ制度
これらの生活上の問題点を「ある程度までは」解決してくると考えられるのが、自治体のパートナーシップ制度。法律で権利が認められる同性婚とは似て非なるものですが、先んじてパートナーシップ制度を導入している都市部の自治体では、家を借りる・病院に立ち会うといった上記の問題が解決されつつあります。
一方で、地方ではセクシャルマイノリティへの理解が進んでおらず、地方議会がわざわざ「同性愛は認めない」と声明を出してしまうことすらあります。
一因に高齢の重鎮議員が(主に出産に繋がらないことで)同性愛への嫌悪感を持っており、そのような人の声が強いことが考えられます。男女でも子供のいない夫婦は大勢いるのに…。
女性を「産む機械」と捉える考え方は何十年も前から批判され続けているものの、政治の世界に根強く残っているのが現実です。
ゲイにとって生きやすい社会とは、実はストレート男女を含む多くの人にとっても生きやすい社会に繋がります。
そのような観点からセクシャルマイノリティの地位向上を訴えられると良いですね。
ゲイ界隈のあるある
ゲイとして生きると決めてからも、さまざまなあるあるが存在します。
ここでは、ゲイ界隈でのあるあるをまとめました!
外見・身体で判断されがち
大きくてガチムチの男性がモテることが多く、鍛えている人も多いです。
しかし、あきらかに自分の好きなファッションと合わない…というような人や、筋肉がつきにくい人もいるはず。
自分に似合う方向性で自分磨きをするのは素敵ですが、無理に外見を変える以上に、いまあなたがすでに持っている価値観や趣味を大事に出会ってみるのも手では?
趣味で出会えるゲイアプリ「AMBIRD」はコミュニティ機能があり、内面的なつながりを持ちたい人も集まっています。
「男らしい」ほうが良いとされてしまいがち
マッチョで大きい兄貴系が人気を持っているので、それを目指そうとする人も。
逆に女性らしいしなやかなタイプや、女性っぽい言動をする人は、ゲイの中では敬遠されてしまうこともありますが、あくまで自分らしくで大丈夫。
無理をして頑張りすぎても、結局長く付き合える友達や恋人には出会えないはず。
男同士だからこそ
男性同士だから許される「雑さ」「下品さ」にようなノリを持つ人も、少なくありません。
「男同士のノリ」それも楽しかったりする人もいると思うのですが、相手に雑な対応をするのは考えもの。
お金や時間にルーズだったり、礼儀がなかったり、ホテルにいるあいだに財布を盗まれて逃げられたり…なども聞くので、気をつけて!
ゲイアプリ「AMBIRD」は年齢確認必須のアプリ。本人確認した人同士でないと連絡ができないので、そもそも悪いことをしようと思って近づいてくる人は少ない傾向になっています。
いきなりシモネタを振ったり、セックスに誘ったりされるのも男同士、ゲイ同士ゆえのあるあるですね。
しっかり性感染症対策を
そんなお誘いに乗るときには、きちんと自衛を。
妊娠の可能性がゼロだからといって、性感染症対策をサボるとHIVのリスクを伴います。
実際に気の緩みで「まあいいか」でヤッてしまって、それからずっとHIVと付き合っていかなければいけなくなった人はたくさんいます。
自分はイヤだと言っても無理やりしようとする人に当たってしまわないように、きちんと話し合って。
まとめ
ゲイであれば聞いたことがある「あるある」を、硬軟取り混ぜてお送りしてきました!
悩みも多いですが、苦しいばかりではないのがゲイの人生です。
本当に好きな人と出会えたり、唯一無二の友情を手に入れたり…。ゲイでなければ経験できないこともたくさんあります。
ひとりでも多くのゲイが自分らしく楽しく生きていけますように。
社会の変化にもしっかり期待しつつ、自分のゲイライフをより充実させてみてください。