ゲイバーは基本的にゲイが集まって飲む場所ですが、店によってはノンケ(ストレート男性)や女性を歓迎しているところもあります(お断りの店もあります)。
また「夜の店」独特の、暗黙のルールが存在するディープなスポットです。
ノンケ・女性・若いゲイの中には、ゲイバーに興味があるのにそういった「作法」が分からずに二の足を踏んでいるという人もおられるのではないでしょうか。
今回はゲイバー初心者向けに、予算・ルール・してはいけないことなどの解説と、ゲイバーの楽しみ方をレクチャーします。
ゲイバーとは?ゲイバーにも種類がある
「ゲイバー」とひとくくりにしても、オーナーによってさまざまな経営方針があります。
また、スタッフのキャラクターで店の雰囲気も一軒一軒違います。
まずは客によって歓迎されるところとされないところがあるという「ゲイバーの種類」について知っておきましょう。
近年のゲイバーは公式サイトやSNSアカウントを持っていることが多く、このような入店コードに関する情報は事前に調べることができます。
メンズオンリー
ノンケや女性に気兼ねなく楽しみたいという、ゲイのみが入店可能なメンズオンリーのゲイバーです。
ノンケは見た目で判断がつかないので、黙っていればそのまま入店することができます。
ただ、会話の内容はゲイの内輪のものですし、当然のように男性からのアプローチを受けることになりますので、ノンケが楽しめる場所かは疑問があります。
新宿では2丁目よりも靖国通りを挟んだ5〜6丁目方面、そのほか東京や大阪のゲイタウンと呼ばれる区画、地方都市の「町で唯一のゲイバー」などはメンズオンリーであることが多いです。
昔ながらのメンズオンリーのゲイバーには、入口に「会員制」というプレートがついていることがあります。
これは本当に会員制なのではなく「ここがゲイバーだという事情を知っている人なら入って」という意味になっています。
ミックスバー
ゲイバーは店ごとに「髭や筋肉など男っぽい」「オネエばかり」「女装あり」などカラーを決めている店が多いですが、ミックスバーはそういったスタッフの属性を決めていません。
多様な考え方を持つゲイのスタッフがおり、店によってはバイやレズビアンも採用しています。
客側にも、そういった多様性を受け入れて楽しむことが求められます。
ゲイが利用するには好みのスタッフに当たることが少なく、ノンケや女性の客も多いことから、色っぽい意味での旨味は少ないです。
さまざまな立場の人とワイワイお酒を楽しむ場と割り切りましょう。
オープンな雰囲気があり、ゲイバー初心者が行きやすいお店です。
観光バー
観光バーはゲイが安らげるゲイバーというよりは、ゲイのスタッフたちが来店客をとにかく楽しませるという接待の要素が強いお店です。
ノンケや女性の来店を歓迎しており、むしろそのような「ゲイに興味津々な観光客」を対象に営業しています。
メディアで報じられるような「女装」「オネエ」「うるさい」「毒舌」といった「面白いゲイ」が接客することが多いです。
完全なサービス業なので大いに楽しめますし、友達連れで遊びに行くにも安全安心な飲み屋です。
一方で名前の通り「観光客向け」の営業であり、観光バーで見られるのはゲイの一側面でしかありません。
ゲイ自身が客として訪れることはほとんどなく、ゲイと腹を割って飲める場所とは言い難い店です。
ゲイバーの予算
ゲイバーの料金形態はキャバクラなどの「夜の店」に近いシステムが多いです。
女性や若者にはなじみが薄いかもしれないので勉強しておきましょう。
- 席料(テーブルチャージ)
- ショット1杯またはボトル1本ごとの料金
- お茶・ソーダ・ジュースなど割りものの料金
席料は来店して座席に着くと必ず発生する料金で、1,500円以上が相場です。
その他、ショット(グラス1杯のドリンク)やボトルの注文ごとに料金が足されていきます。
ショット・ボトルは料金表が貼られていますが、席料はわざわざ書いていないという店も多いです。
ゲイバーでぼったくりをしているという話はほとんど聞かれませんが、不安なら入店時に確認するといいでしょう。
居酒屋より高くお姉さんの店より安いが相場
ゲイバーで飲むのに、チェーンの居酒屋並の安い料金はまずありません。
数杯のお酒とかわきものだけで軽く5,000円くらいになってしまいます。
飲食物の価値ではなく、ゲイバーという「場」にお金を払うものと考えましょう。
それでも、ホストクラブや女性が接客する「夜の店」よりは相場が安いです。
中には「安いしモテ気分が味わえる」とあえてゲイバーを楽しんでいるノンケもいるとかいないとか。
ゲイバーのルール
ゲイバーにはチェーンの居酒屋などにはない独特のルールがあります。
「一般的なお酒の飲み方」「夜の店の常識」「ゲイの世界の常識」が絡み合っていて少々複雑に感じられます。
ただ、それぞれ楽しくお酒を飲むための最低限のマナーですので、ぜひ覚えて実践してみてください。
迷惑行為をしないように
ゲイバーは賑やかで楽しげな雰囲気に溢れており、下ネタも多く飛び交うのでついつい楽しくなって飲み過ぎてしまいます。
しかし、自分の酒量を守って酔いつぶれないようにすることは大事です。
ゲイバーは狭い店舗と少人数のスタッフで運営していることが多いので、潰れてしまったり吐いたりしてしまうと営業の迷惑になってしまいます。
また、男にしか興味がないゲイとはいえ、女性客にとって無害とも限りません。
中には酔っ払って口論になると暴力にうったえてくるゲイ客もいるので注意しましょう。
スタッフにもお酒を奢ろう
これは「夜の店」独特のルールなのですが、店のスタッフにお酒を奢るというシステムがあります。
奢るのはショットでもいいですし、ボトルの中身を分け合って飲むのでもOKです。
スタッフに奢った分の料金は客の飲み代として請求されます。
これはゲイバーにとって大事な収入源で、客は「一杯どうぞ」とすすめるのが一種のマナーとなっています。
ゲイバーに行ったらぜひ実践してください。
お酒が弱くてあまり飲めないという人でも、自分はお茶だけ飲んでスタッフに奢るという形で売上に貢献すれば、堂々と店に居座れるという技もあります。
ゲイにイメージを押し付けて消費しない
特にノンケや女性は、メディアで報じられる画一的なゲイ像をイメージしがちです。
「女装」「男なら誰でもいい」「オネエ言葉」「面白い」「ズバリ言うわよ」などといったものですね。
ですが、これらはメディアの社員が遊びに行くような「観光バー」に務めるゲイスタッフの人物像です。
ゲイの中にもさまざまな人がいます。
そもそも女装をするゲイはごく一部の少数派なのですが、見た目に派手なのでメディアで取り上げられがちです。
また、必ずしもゲイバーはギャグが飛び交う騒がしい場所ではなく、静かに飲みながら会話するテイストの店もあります。
オーナーやスタッフは求められるキャラクターにある程度合わせてくれるかもしれません。
しかし、居合わせたゲイの客がノンケや女性に対してギャグや毒舌で楽しませる義務はありませんよね。
一方的なゲイのイメージを押し付けるのはやめましょう。
ゲイバー初心者におすすめの楽しみ方
ゲイバーにはじめて行くとき、どのように振舞えばいいのか迷うことは多いですね。
どのように入店して楽しめばいいかについて、3つほどポイントを挙げていきます。
どんなことを話せばいいのか?
基本的にスタッフは初来店の客に対してあれこれ気を使ってくれますので、それほど身構える必要はありません。
ゲイに興味があるなら、恋愛事情などの質問を用意しておいてもいいでしょう。
ただ、気になるとはいえセックスに関する質問を根掘り葉掘り聞くのはNGです。
一般社会で初対面の人に「どんなセックスをしているのか?」などと聞くのは失礼ですし、普通にヤバい人ですよね。
それはゲイに対しても同じだと心得ましょう。
はじめて行くなら空いている平日がおすすめ
金・土・祝前日などの繁忙期はゲイバーも混み合います。
スタッフがサービスに忙しい状況では、新規客に十分に気を配れなくなってしまうことがあります。
同行したグループで固まって飲んでしまい、高い料金を払ったのに居酒屋と変わらなかったということにもなります。
一人で行こうものなら、物凄い孤独感に襲われます。
運よく居合わせた客からナンパされれば儲けものですが、そう都合よくもいかないもの。
ゲイバーの雰囲気を落ち着いて楽しみたいなら、初来店は空いている平日がおすすめです。
ゲイに連れて行ってもらう
一番無難なのは、慣れているゲイに連れて行ってもらう方法です。
相手の行きつけの店なので安心ですし、困っても助けてもらえます。
ゲイバー初体験の若いゲイは、年上ゲイに連れて行ってもらうのも良いでしょう。
まとめ
初心者向けに、ゲイバーのイロハを解説しました。
ゲイバーはゲイ以外の悪意ある来客を排除するために、あえて閉じた店構えにしていることが多いです。
そのため敷居の高さを感じられますが、一度飛び込んでしまえばとても楽しいお店です。
一人で行きづらい人は何人かのグループで訪ねるのも良いでしょう。
ぜひ新しい世界を体験してみてください。